読書をするメリットは多いです。その中でも、ネット等と比べて勝っている点は次の2つでしょう。
- 体系的にまとまった情報が得られ、知識として定着する
- 能動的に学ぶ姿勢が自然と身につく
では以下に見ていきましょう。
体系的にまとまった情報が得られ、知識として定着する
樺沢紫苑氏と齋藤孝氏は以下のように主張しています。
「今はインターネットの時代。ありとあらゆる情報がネット上にあふれているから、検索すれば何でもわかる」という人がいます。極端な人は「ネット情報があるから、本なんかいらない」と言います。私は、これは全くナンセンスだと思います。(中略)
『精神科医が教える読んだら忘れない読書術』 著者 樺沢紫苑 より抜粋
ネット情報は、「断片化」されています。つまり、体系化されていないということです。知識の一部分だけを知ることはできても、「本」のように物事の全体像を、順を追って体系的に学ぶことはなかなかできません。
たしかに、インターネット上には無限の情報があふれています。ところが、無秩序に流されてくるそれらの情報に身をゆだねていても、自分のものにすることはできません。
『大人のための読書の全技術』 著者 齋藤孝 より抜粋
知っていることは増えても、それは知識ともいえない無秩序なものの集合体に過ぎません。
ですから、インターネットをどんなに眺めていても、実際に活用できる生きた知識を身につけることはできないのです。
それに対して、あるテーマに即して情報を整理し、系統づけたものが「本」です。その多くは、時代の要請を受けて、きちんとテーマを設定した上で情報を精査し、整理して書かれています。
つまり、自分が必要とする知識を、最も効率的に吸収して自分のものにできるツールが、「本」なのです。
まとめると、本は主題を軸にして、それを体系的にわかりやすくまとめたものであるため有用であるということです。
一つのテーマに沿いながら、それにつながる整理された枝葉で肉付けされたものが一冊の本です。それを読むことで、テーマ及び著者の主張をおおよそ学ぶことができます。
対してテレビやYou Tubeのような動画の場合、1本の動画が本でいう所の一章ないし一節を切り取ったような内容が多いように思います。現実的に考えて、本のように主題を体系的に学べるような内容にしようとすると、かなりのボリュームが必要になるでしょう(数時間では収まらないのではないでしょうか)。20秒程度のショート動画が流行ったり、ドラマや映画を倍速で視聴する人が多いとされる現代で、そんな長いコンテンツをすすんで利用する人は少ないでしょう。
ただそうなると、自分から意識してそれらのコンテンツに当たらない限り、上で抜粋した著者達の主張通りの結果になります。「断片化」された「無秩序」な情報しか集まりません。
それに加えて、本はインターネット等に比べて、利用する上での必要な力に違いがあるとしています。
能動的に学ぶ姿勢が身につく
齋藤孝氏は以下のように記します。
テレビやインターネットを何気なく見ていても、情報は目の前を流れていきます。そうして、なんとなく目的を達成したような気がします。
『大人のための読書の全技術』 著者 齋藤孝 より抜粋
そのため、せっかく多くの情報に触れていてもインプットされにくく、当然、アウトプット力もなかなか向上しないのです。
それに対して、読書では思考力が鍛えられます。文字を追い、頭の中でその意味を咀嚼し、更に自分の中へ変換していくプロセスが求められます。そのため、集中し続ける必要がありますし、頭の中はフル回転します。
集中して読むことではじめて、思考力が高まっていき、読書で得たものが自分のものとなっていくのです。
つまり、読書はテレビやインターネットに比べ、主体的に情報等をインプットする姿勢に自然となる、ということです。
逆に言えば、ネット等を利用する場合でも、目的意識を持って主体的に利用し、本に比べて少ない体系的な内容を利用するコンテンツのボリュームでカバーする。そうすることで情報が知識として身につくことになります。とはいえ、そこまで依怙地になって本を拒否するのはもったいない気がします。
まとめ
ここまで、読書をするメリットを2点挙げました。
- 体系的にまとまった情報が得られ、知識として定着する
- 能動的に学ぶ姿勢が自然と身につく
読書を自分の生活に取り入れて、役立つ知識と学ぶ姿勢を定着させる。そうすることで、会話に深みが生まれて、仕事も有意義で厚みのあるものになります。
もちろん、情報を手軽に、そして手早く手に入れられ、欲しい内容をピンポイントで得られるインターネットはとても便利なものです。月並みな言い方になりますが、ネットと読書を併用して相互補完するほうがバランスが良いでしょう。そのためにも、今回挙げた読書のメリットを得るために、本を読む習慣をつけてみてはどうでしょうか。
なお上で取り上げさせて頂いた2冊の著書は、読書で得られる他の利点や読書習慣の付け方、オススm読書のコツなど、あなたの役に立つ知識が満載です!オススメの2冊です!