『超二流 天才に勝つ一芸の究め方』

著者 野村克也
発行所 株式会社ポプラ社
定価 本体880円+税

概要

才能の塊であるプロ野球選手の中でも、長嶋茂雄や大谷翔平のような「超一流」はほんの一握り。しかし、一芸に秀でた「超二流」には誰でもなれる。
このような論旨で、いかに自分の武器を作るか、どのような姿勢で物事に向き合うかを解説した一冊です。

感想

プロ野球をある程度知っていれば、理解が早くなる

自身の現役時代、監督時代の経験を基に論じているので、1990年~2000年代のプロ野球を知っていれば分かりやすい内容だと思います。古田敦也、宮本慎也、稲葉篤紀、高津臣吾・・・野村氏は彼らを一芸に秀でた「超二流」として挙げています。彼らがどういった選手であったか、という簡単な解説はされていますが、彼らの現役時代を知っているかどうかで要旨の理解度が大きく変わるでしょう。

短所は最低限になるまで直す

これは以前に紹介した野村氏の書籍でも書かれていましたが、「短所をある程度まで克服する」ことが長所を活かすという主張です。自分の長所に気づき、それを伸ばすことが「超二流」になるための課題です。それを踏まえて、長所の足を引っ張るような短所がある場合は。それを最低限潰すのが条件であるとしています。まして、短所は自分が嫌いな分野であることが多いので、意識しないと直りません

自分の長所を活かすために、邪魔になっている部分を気にならない程度にまで引き上げる。学校や資格の試験等で、苦手分野であっても足切りラインは超えるように努力する、という意味でしょうね。

素直で謙虚な姿勢を持つ

超二流を目指すには自己評価を絶対視せずに他者からの評価を受け止め、アドバイスに耳を傾ける素直な姿勢をもつことが肝要だと言います。そして、「自分はまだまだだ」という驕らない謙虚な姿勢を持つことが大事だと説いています。

特に面白かった所

野村氏が自分自身を「コミュニケーション能力は二流である」としていた点です。監督時代はボソボソ喋るぼやきが特徴的で、確かに暗い印象でした。野村氏が自らと対照的な人物として挙げているのが、小久保裕紀氏と星野仙一氏です。面識のない人にも丁寧に挨拶、姿が見えたら飛び出して行って最敬礼。「これだから上手くやっていけるんだな」と処世術の上手さに驚いたようです。

ちなみに本書では、コミュニケーション能力がないと感じているならば、まず仕事などの実力を伸ばすことが大事と説いています。結果を出して自信をつければ、コミュニケーション能力も自然と引き上げられていくのだとか。

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