著者 谷本真由美(May_Roma)
発行所 株式会社ワニブックス
定価 本体880円+税
概要
シリーズ物の第三弾です
東京オリンピックの欧州からの評価、欧州の同町圧力と国民性、日本のエンタメが与える影響など、日本人の知らない世界のニュースを笑って学べます!
感想
今作も面白いです!
今回は時事的なテーマとして東京オリンピックが取り上げられていますが、結論として欧州ではオリンピック自体興味を持っている人が少ないとのことでした。
競技種目が上流階級の家庭でしかやっていないものがほとんどで、人気のあるサッカーはW杯やユーロ選手権の方が盛り上がる。そのためあまり盛り上がらないのだとか。
欧州が保守的なのは著者の書籍で知ったのですが、オリンピックでもとなるとかなり強烈ですね。そう考えると、メダルラッシュなどで連日ニュースになり、夜更かしをする人が増える日本人は、意外に人生を楽しめる国民性なのかもしれません。
特に面白かった所
日本のエンタメ、特に漫画やアニメの人気ぶりに焦点を当てた箇所です。日本のコミックがアメリカのコミック売り上げTOP20を総ナメにしているのだとか。アニメにおいては「日常系」と呼ばれる女子学生などが些細な日常生活を楽しむ様を描いた、ふわっとした雰囲気のモノが人気なようです。
海外では、日本とは比べ物にならないくらいの格差社会だそうです。そのストレスを解消するために、ふんわりとした毒気のない作品を好んで観るのだとか。
日本でも「転生物」と呼ばれる作品が人気です。現実社会で目立たない、またはパワハラなどで過重なストレスを抱えた主人公が、事故などで突然死する。目が覚めるとそこは異世界で、生まれ変わった主人公は仕事も人間関係も充実させ、人生を謳歌する、といった内容です。
世界的にも、癒しが優先される時代になっているんですね。現実の疲れをフィクションで癒す。
癒しや爽快感が求められているという事ですね。それだけ現実に希望を見出しにくい人が増えているという事でしょうか。
ストレスが溜まっていたり、悩んでいるときはそういった内容の方が観やすいでしょうね。そういった作品も好きですが、個人的には毒っ気のあるクセの強い作品や、議論を促されるような内容の作品の方が、心を動かされるので好きです。
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