『国連でも通じる世界の非ネイティブ英語術』

著者 谷本真由美  

発行 株式会社KADOKAWA

概要

日本人は英語、英会話ができないとされています。そして、そのことにコンプレックスを感じている風潮があるように思います。
ですが安心してください。世界で、100点満点の英語を操る人の方が珍しいのです!
長年海外と日本を往復し、国連機関での勤務経験のある著者が、実際にやり取りされる英語の実体をユーモラスに記しています。作品内では、このようなユニークな方々が登場します。

  • 「ヨイショ」に命をかける、イタリア人エンリコ
  • ビジネスメールがロマンティック、ギリシャ人シーザー
  • アイアムNO.1、ドイツ人ヨハン

彼らの仕事ぶりから学べる事は多そうですね。

感想

海外で働こうとしている方には、かなり参考になる一冊ではないでしょうか。実体験を基にしているので、地に足を着けて英語の勉強に向き合うことができます。なにより、エンタメとして面白い!
「世界では大半の人が英語がヘタクソである」。この事実を覚えておくだけでも、臆せずに英語を使えるようになると思います。
英語を母語とする人の方が少ない中、彼らはどのように仕事をこなしているのか。キーワードは「ヨイショ」と「自信」です。実は英語力よりも、思いやりや気遣い、話の組み立て方といったことの方が大事だということが分かります。

特に面白かった所

日本人の英語が下手な理由を列挙されていた点です。
その一つに、植民地になったことがない、というものがありました。多言語が話せる外国人を見て、羨ましいとしか思っていませんでした。ただ、彼らが複数言語を話せる歴史的背景まで考えると、そう単純な話ではないですね。日本語という言語が消滅せずに残っていることは、本来はご先祖様達に感謝すべきことなのでしょう。
また、日本は内需で事足りているという点も挙げられていました。観光立国を目指す我が国ですが、実は海外から流入する観光マネーの割合は案外低いそうです。日本人が国内旅行で使うお金が大半だとか。そうなると、大概の人は日本語だけ使えれば生活に困らないので、覚える必要がない。だから上達もしないということですね。

オススメする方は

  • 何となく英語ができるようになりたい、できないといけないと思っている方(私もそうでした)
  • 著者の谷本真由美氏の作品が好きな方

私は谷本真由美氏の著作が好きで、よく読んでいます。我々日本人にとって耳が痛くなるような記述が多いのですが、その鋭い舌鋒が痛快で、内容も好奇心をそそられるものが多いです。他の著書についても、レビューを書きたいと思っております。

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