『やってはいけない不動産投資』

著者 藤田知也  

発行所 朝日新聞出版

概要

不動産投資に関する注意事項、及び不動産業者の悪徳商法をまとめた一冊です。業者と買い主との情報格差を利用し、家賃保証で安心させ、契約後は知らんぷり。自分たちは高給の身分でウハウハ。
そんな不動産業界の暗部を語り、実際に契約で金銭的に苦境に陥った方たちの実例を挙げています。

感想

弱肉強食の投資

不動産投資は、数ある投資の中でも上級者向けであるように思います。なぜなら知識、手間、目利き、必要な資金、全てのハードルが高いからです。
物件の選び方、購入後のメンテナンス、ウン千万円のローン、手軽にできるものではないですね。
それに加えて、不動産業者があの手この手を使って契約させようとしてくる。中には買い主の預金残高や年収を詐称して、ローンを通すというものもありました。一件契約すると成功報酬が大きいので、なりふり構わない者もいるということですね。

不動産投資に限ったことではないですが、最近は一攫千金を狙うというよりは、老後の蓄えを増やすため、銀行に預けてもほとんど増えないためといった、不安を解消するために投資を始める方が多いようです。テレビでも取り上げられ、政府も薦めるくらいです。ちょっと異常な気がします。「普段投資をしないような人がそれを口にしだしたら、一度撤退するべきだ」という話がありましたね。今がその時なのかどうか、果たして。
自分は不動産投資をする資金がないですが、仮に余裕があっても気が変わらない限り、手を出さないと思います。前述の通り、デンジャーな部分が多いし、一度失敗したら致命傷になるからです、

余談ですが、最近ドラマ化もされた『正直不動産』が、内情を深く書かれていて面白いです。

特に面白かった所

サブリース契約の箇所ですね。むこう何十年間、家賃収入を保証するというものです。一見すると魅力的な内容です。それならと安心して契約するも、その後状況が変わります。入居者が予定よりも埋まらず、保証会社が行き詰まり、決められた家賃が減額、もしくは払われなくなる。
恐ろしいですね。保証を当てにしてローンの返済など計算しているのに、それがパーになるんですから。
これについて著者は、サブリース契約を付けなければならないほど、そもそも魅力がない物件なのだ、と述べています。なるほど。シンプルに利回りで勝負できない物件である、という認識を持つべきですね。

オススメする方は

  • 投資全般に興味のある方
  • 不動産投資の注意点を知りたい方

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