著者 藤原正彦 小川洋子
発行所 筑摩書房
概要
『博士の愛した数式』の作者、小川洋子氏と、数学者の藤原正彦氏の対談本。
数学の不思議さ、神秘さ、美しさなどを語った一冊。
なぜヨーロッパでは「ゼロ」の概念が生まれなかったのか、国柄による数学の特徴も分かります。
感想
数学者ってロマンチスト
数学が得意になりたい、と思って読む本ではないです。数学者が定理を追求する心理や、数学者の生まれやすい土壌などの、数学への情感を味わう一冊です。
- 江夏の背番号28は完全数
- 虚数からみる欧米人の苦悩
など、数学って面白くて素敵だな、と思える内容です。
特に面白かった所
数学は神様が作った調和である、という考えですね。これはヨーロッパの考えのようです。もともとこの世界は神様が作った物である。ということは、神が作った美しい法則や規則が存在するに違いない、それが数学である。宗教と文化が、学問の進化に大きな影響を及ぼしている例を知ることができました。
逆にヨーロッパでは、インドの発明である「ゼロ」の概念は生まれなかっただろうとされています。「無」は何もない、つまり表せない、と。
数学苦手ですけど、こういう話を知ると、学ぶ意欲が別方向から湧いてきますね。
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