『黒い家』

著者 貴志祐介  

発行所 株式会社角川書店

概要

保険会社に務める若槻慎二。某日、「自殺で保険金はおりるのか」という電話を受ける。自殺の場合、1年間は免責となっていることを伝えた。その後、顧客である菰田重徳の家で、子供の首吊り死体の目撃者となってしまう。菰田のただならぬj様子から、他殺の可能性があると考えられ、保険金の支払いが一時見送られた。そのことに痺れを切らした母親、菰田幸子が窓口に乗り込んでくる。応対後、若槻は声で気づいた。菰田幸子は、以前に自殺の件を問い合わせてきた、電話の主だったのである。

感想

真っ直ぐな狂気

非常に面白い作品ですね。狂人がの恐ろしさを存分に堪能できます。今で言うサイコパスなんですかね。ただこの犯人は知能が高くないので、どちらかといえば利己的で直情的といった方がしっくりきます。
ホラー要素もそうですが、保険会社の実情を描かれている点も興味深いです。脅して金をせしめようとしてしてくるチンピラも登場します。ストレスは半端ないでしょうね、自分なら一週間もたないと思います(笑)。

特に面白かった所

「指狩り族」の話ですね。保険金目当てで指を落とす輩の事ですが、その方法が凄まじい。
医者や看護師に頼れないから、麻酔は使えない。そこで使うのはコールドスプレーだそうです。一本丸々指にかけて、感覚がなくなってから・・・。金は人を狂わせる。
落とした後も、幻肢痛という、無いはずの箇所が痛む現象が起きるらしいです。
保険会社は、そういった狂人も相手にしているんですかね。

オススメする

  • ヒューマンホラーが好きな方
  • 貴志祐介氏のファンの方
    個人的には、以前紹介した『天使の囀り』、『青の炎』と合わせてトップ3です。

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